ネオデュール(高硬度無電解ニッケルめっき)
特徴
①熱変形の恐れがありません!
従来の無電解ニッケルめっきでは、硬度を要求される際には熱処理が必要でした。
複雑な形状品や薄板など、熱処理による変形の恐れがありません。
②追加工は要りません!
硬質クロムめっきの皮膜は硬さに優れますが、精度を出すために後加工していませんか?
膜厚精度は従来の無電解ニッケルめっきと同等で、厳しい公差にも対応します。
③治具作製を省いて納期短縮!
硬質クロムめっきでは、パイプの内面など特殊な治具が必要でした。
無電解めっきでは治具が不要なので、治具作製の納期短縮が可能です。
④その他の特長
電気的特性・・・はんだ付け性に優れる 環境対応・・・もちろんRoHSにも対応
硬さのイメージ
有効処理寸法
縦(400mm) × 横(300mm) × 厚み(500mm) 重さ(10kg)以下
標準膜厚:7~13μm(±20%)
※手がけでの処理対応であるため、数量が多い場合、納期は要相談となります。
用途
成形金型、ローラー、ピストン、、パーツフィーダー、計量カップなど
通常の無電解ニッケルめっきとの違い
◆一般的な無電解ニッケルめっき皮膜よりも硬い
標準的な硬度 | ベーキング後 | |
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一般的な無電解ニッケルメッキ | 約450~550Hv | 約1000Hv |
ネオデュール | 約700~750Hv | 約1000Hv |
◆一般的な無電解ニッケルめっき皮膜よりも耐摩耗性が良い
耐摩耗性 | |
---|---|
一般的な無電解ニッケルメッキ | 約17DS/mg |
ネオデュール | 約55DS/mg |
※耐摩耗測定条件:試験方法…往復運動耐摩耗試験法、研磨紙の粒度…#320、試験荷重…1.5kgf
皮膜データ
ネオデュール処理 | 一般的な工業用無電解ニッケル | |
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ニッケルの純度 | 約97~99%(リン1~3%含有) | 91~93%(リン7~9%含有) |
皮膜状態 | 結晶性 | 非晶質 |
耐食性 | 良好※ | 良好 |
硬度(Hv) | 約700~750Hv (300℃加熱処理後1000Hv) |
約450~550Hv (400℃加熱処理後1000Hv) |
磁性 | あり、加熱(280℃-2H)後も磁性 | 弱磁性、析出状態でほぼ非磁性 |
変色(耐熱) | 250℃-1時間加熱で変色なし | 270℃以上の加熱(大気環境)で変色 |
電気抵抗(μΩ・cm) | 20~30 | 60~75 |
※素材の状態によりますが、工業用無電解ニッケルとほぼ同等です。
通常の仕様ではめっき膜厚10μmとなっております。
対応素材は鉄、アルミ、銅、ステンレスです。